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生理が重い方はおそらく共感MAXなロマコメ小説『The Friend Zone』

ニュースで学ぶ、生きた英語。「The Japan Times Alpha」

ひさしぶりにロマンス小説でこんなに泣いた。
後半を半日つぶして、ぶっ続けで読んで、もう倒れそうです。

最初はね、こんなシリアスな展開になると思ってなくて。笑いながら読んでたの。

だいたい、JoshとKrisrenの出会いからして、日本で言う『食パンくわえて門曲がったら運命の相手と出会って、イエス、フォーリンラブ』みたいな感じだっからさー1

でもだんだんストーリーが進むごとに、Krisの生理の描写が尋常じゃなくなってきて。


あまりにも気分の上下が激しいし、出血も多いため、子宮摘出手術を本気で考えて、そして実際に手術を控えた状態ということがわかってくる。
そして、フォーリンラブしたJoshは女兄弟ばかりの大家族出身で(だから生理事情にも大変お詳しい)、自身も大家族を望んでる。

Krisは親友のSloanにしか「生理が重すぎてしんどいこと」、「及び子宮摘出手術をひかえてること」を伝えてないし、だいたいそんなこと男の人に普通言わないしで、JoshはKrisの子宮のことを知らないまま、バカの一つ覚えのように『オレ、将来、子だくさんで大家族がいい!』ってのたまい続ける。それに傷つき続けるKris。

嗚呼、残酷。

しかも、Krisには遠距離ボーイフレンドがいて、そのひとは子どもいらないっていう人。しかも、Krisの母親はシゴデキ弁護士でものすごく性格が冷たいひとなんだけど、その母親とその遠距離BFは上手くいっている。
だからKrisがめちゃくちゃJoshに惹かれていくけど、結婚するなら遠距離BFのほうがいろいろと望む条件には合致しているので、Joshと遠距離BFの間で悩み続ける。

最初はね、マジでびっくりしたよ。

こんな、赤裸々に、生理のことを書くんだって。
しかも濡れ場がバンバン出てくるロマンスノベルで。
さすがメリケン、やることがちゃう。

あとKristenがあまりにも歯に衣を着せなすぎ。
特にシモの話。
ちょっとちょっとちょっと!メリケンってこんなデリカシーないんかい!と思ったら、次巻のSloanのストーリーで2『私の友達、だいぶ頭オカシイよ?ほんとに会うの?大丈夫?』みたいなシーン出てきて、「ナルホド、Krisがおかしいんだわ。よかったアメリカそこまで墜ちてなくて」とだいぶ失礼な自覚はあるがちょっとほっとした。

ただ、重い生理のことと子宮摘出手術に向けた悩みのこととアタマおかしいKris(言い方)の言動をのぞくと、
ロマコメ特有のお約束、『今カレと元カレのどちらにしようかな、かみさまの言う通り』が延々描かれるわけで。

ごめん、結構なオトナの私としては、だいぶ中盤どうでもよくなった。
「そんなに生理が重いんやったら、そんなもん元カレの遠距離BFで決めといたらええねん。こども望んでないんだから。産まんでええやん」と身も蓋もないことを思ってしまい、途中で、ダルくなって、ほかの本に浮気してた(笑)。

が、今日、再開して気づく。
後半から俄然、ストーリーが変わってくる。

別れたはずの元カレがカムバックするのと、親友Sloanの事情が絡んできて、どんどんヤバな方向へ。

ここからはもうネタバレになるので、黙ります。

読後、放心。
もう、最後とか、涙を拭いながら読んだ。

だれも興味ない自分語りをすると、私は生理が軽いほうでして。
特に20代の若い頃とか、ほんとになんともなかった。あの、そりゃ血は流れるんですけど、多いのは最初の2日間くらいだし、だいたい5日くらいでほぼ止まってくるし。最後のほう、あれでも急にひょっこりひょうたん島だったらまずいのでナプキンしてるんたけど、白いままでさ。
「これ……、金の無駄じゃん?」って思ってた。

今、中年になって、若い頃に比べてだいぶ生理が重くなってきてですね。
寝込む日も出てきたので、少しだけど、ほんのちょびっとだけど、生理重い子の気持ちがわかるようになったよ。
若いときに重かった子、中年になってどうなんだろう?それとも子ども産んだら多少違うんですかね?(私は子どもいないのでわかりませんが)

これねー、多分同じ女性同士でも、わかりあえないのが、タチが悪いと思うんだよね。
軽い人は、重い人のしんどさ、わかんないの。
ゼッタイ、わかんないのよ。
自分がなってみないと。

だから女性同士のほうわりと簡単に『病気じゃないんだから、生理くらいでイライラしたり休んだりして甘ちゃんじゃん?』って空気を出してしまいやすい。

私、たぶん、若い頃、空気にだしてたわ。言葉では決して言わないけど。

嗚呼、残酷。

………当時の女友達に土下座して謝りたい。
あのとき、苦しんでる生理が重い友達のこと、理解して上げられんで、ほんと悪いことをした。

……この小説、先述のとおりロマンスノベルなんで、本来は男女の恋愛に共感したり反発したりワクドキしたりというのが、想定された読み方だと思う。
だけど、私は途中から、Krisと大親友Sloanの女の友情に心動かされてしまって、どうしようもなかった。
結婚間際で幸せいっぱいのSloanに自分の疲れ果てた子宮の事情なんて打ち明けたくなかったけど、打ち明けることになったKris。
後半、Krisの慶事に自分の事情を差し置いてまで参加するSloan。

………泣く。

女ってさ、「自分がもっていない」他人の幸せに敏感だよね。
自分が、持ってない、他人の幸せ、羨ましいじゃん。
羨ましくて羨ましくて羨ましくて、普通は妬むじゃん、僻むじゃん。
ロマコメだから、そこはキレイに隠すのかと思いきや、そうでもない。
うっすら出てる。
それが、泣けて泣けてしょうがない。

若い女の子たち、みんな、幸せでいてほしい………。
生理しんどくても、頑張って生き抜いて。
しんどいときは男も仕事も何もかも、もうほっといてええんよ。

自分を、大事にね。

  1. ネタが古いのは許してください。こちとらお笑い番組久しく観てない勢なんで、今の流行は知らないんだ ↩︎
  2. そうです。もう2巻目に突入してます ↩︎